Blog

デザインとプログラムと、なんだろう

家業を継ぐ娘たちの会

「心を動かす」とは過去の経験を思い出す一端を示すことでは?

2019.12.28

提案書の書き方を教えていて気がついた。

「感動」してしまう時、それは過去の自分の経験の中で似た感情があった場合におこるものではないか?

ある自動車メーカーのCM、父と息子のストーリー。
父親と、息子、どちらも口下手でなかなか心が通い合わない。
ずっとうまくいかなかった父と息子、息子が、息子が大人になって購入した車をきっかけに心が通い始める。
CMの中では過去に父と子の間で起こったトラブルや、幼いころの思い出なども回想され、自分にも身に覚えのあるようなシーンがいくつか見えてくる。

これは、たとえ娘と母親であっても似た経験があり、共感できる。
男のきょうだいがいる女性でも同じ。
息子を持つ父親、そして父と距離のある息子の場合はさらに強く共感する。

誰にでもある感情と、過去の「似ている経験」。
実際に経験したことが無いことでも、どこかで共通点を感じ、感動につながる。
「感受性が強い」人というのは、この共通点を感じる部分が柔軟なのかも。

逆に言えば、まったく経験のない事柄には「感動しない」ということになる。
これまでの自分の経験の中で、似ても似つかないような事柄には感動できない。


やはり、心に残るものをつくろうとしたら、
誰のために、誰の心に訴えるのか、その年頃の人たちはどんな感情でどんなことに興味を持ち、どんな生活をしているのか、そこから踏み込んでいかねばならない、と痛感する。

以前大学案内のデザインをしたとき、大学生の読む雑誌を読み、ファッションを似せてみて、趣味趣向を追いかけてみたことがあったけど・・・
年齢・性別の垣根を越えて経験できるような、VRアプリとかがあったらいいのに。